どうせいなくなるのなら
いなくなると分かっているから何も言わない
何も言ってはいけない
望んでは・・・・ダメだ―――――
+++++ 秘め事 +++++
分かってしまった。
あの言葉の意味を・・・・
あの本から聞こえた呪いの言葉を・・・・・
俺に彼女を
瞳を失えるわけがない。
なのに・・・俺にはもう時間がない。
もうすぐ俺は死ぬ。
だから俺は『何も言わない』
想いが通い合い、瞳のことが大切だと理解しているから
俺は瞳に何も言わないことを選択する
瞳を縛り付けたりしないように
俺がいなくなった後も
瞳が俺に囚われたりしないように
俺は瞳に何も言わない・・・・・
瞳のことを愛しているから
あまりの愛おしさに狂ってしまいそうなくらい
彼女だけを愛しているから
だから・・・・・『何も言わない』
本当は伝えたかった言葉がある。
けれど伝えれば瞳は完全に俺に囚われてしまうだろう・・・
だからこの言葉は伝えない。
本当は瞳に伝えたかった『言葉』
それを秘め事のように胸にしまったまま
俺は消える
本当のことを瞳が知れば俺のことを自分勝手だと怒るかもしれない。
いや・・・・瞳の場合は俺の代わりに死ぬと言うかもしれない。
それだけは耐えられない――――――
彼女を、瞳を失って生きながらえた生にどれほどの意味がある。
何の意味もない。
俺の傍に瞳がいなければ生きながらえる意味なんてない。
俺と瞳の命を天秤にかけろ?
そんなもの、かけるまでもない・・・・・・
俺の命より、何よりも誰よりも瞳のほうが大切なんだ。
もうそれだけで良いんだ。
彼女が・・・・瞳が生きて幸せになってくれるのなら。
だから俺が生きているうちは瞳に悲しい顔なんてさせたくなかった。
いつも笑顔で、幸せそうに笑っていて欲しかった。
最後まで、瞳の笑顔を胸に焼き付けておきたかった。
たとえ、そのことで瞳が傷ついたとしても、
それでも、
それでも何も言わないまま消えてしまったとしても
口を噤んでしまう事が俺が瞳にできる
俺の最後の愛。
――――――――― End
>>>>>あとがき
初書きですが・・・・
何も言わずに消えるって・・・・・きっとどうしようもなくツライ事だろうなぁ。
それも想いあってるのに、
きっと相当、主人公の事を考えたんだろうなぁ。と思って作りました。
・・・・・・・不完全燃焼(=□=;)
もっと上手く言葉回しとかできたらいいのに・・・・・lllorz
h19.8.31
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